2026.2.22あずまの森
2026.2.22(日)あずまの森
活動内容 : あずまの森について
参加者 : シニア仲間と
●シニア仲間との森作業●
24年目を迎えて、改めて仲間たちと「あずまの森」について考えてみた。
― あずまの森は自然の記憶と都市の未来をつなぐ場所 ―
神奈川県逗子市沼間3丁目。
この一帯は、長い年月の中で谷戸を埋め、尾根を削り、平らに整地され、
大規模な住宅地として生まれ変わりました。
かつての地形の起伏は消え、土地は「均された空間」になりました。
けれど、その隣に、奇跡のように手つかずで残った場所があります。
それが「あずまの森」です。
1ここは、地形の**「記憶を保持する最後の断片」
土地本来の植物が残り、小さな生きものが暮らし、
神奈川県の絶滅危惧種も確認されています。
都市化の波の中で、なお自然の力と役割を今も静かに伝え続けている森です。
2小さな谷戸がつくる、ひとつの流域
あずまの森は、小さな谷戸になっています。
規模は決して大きくありませんが、ここは完全に独立したひとつの小流域です。
流域とは、降った雨が最終的に同じ川へ流れ込む範囲のこと。
森の中央を流れる水は、やがて逗葉新道の側溝を通り、
最終的に田越川へと流れ込みます。
雨が降ると、両側の斜面から水が少しずつ谷の中央に集まってきます。
雨がやんだ後も、低地からは時間差で“絞り水”がにじみ出てきます。
「いつまでもじめじめしているなあ」と思うこともあります。
けれどその湿り気こそが、この森の大切な力――
保水力なのです。
もし森がなかったら
もしここがアスファルトで覆われていたらどうなるでしょう。
雨は地面に染み込まず、一直線に側溝へ流れ込みます。
川の水位は一気に上昇し、洪水や氾濫のリスクは高まります。
しかし、あずまの森は違います。
雨水をゆっくりと吸収し、時間をかけて放出する。
森はまるで**「水の調整弁」**のように働きます。
都市の隣で、目立たず、しかし確実に。
洪水をやわらげる“クッション”として機能しているのです。
3森の驚きの力 ― 保水力
健全な落葉広葉樹林は、表土や腐植層を通じて
100~200mmの雨を一時的に保持できるといわれます。
控えめに、100mm(0.1m)を保持できると仮定すると
8,000㎡(0.8ha) × 0.1m = 800㎥
つまり、約800トンの水。
これは、25mプール約1.6杯分に相当します。
都市の中で、この容量を自然が担っている。
それは、決して小さな数字ではありません。
4森のもうひとつの力 ― 炭素を蓄える
関東南部の広葉樹二次林の平均値を参考にすると、
地上部バイオマス:120~180t/ha
その約50%が炭素
つまり、60~90tC/haの炭素を蓄積しています。
あずまの森(0.8ha)では、
約48~72トンの炭素が蓄えられている計算になります。
これをCO₂に換算すると、およそ
約175~264トンのCO₂相当
さらに、年間吸収量は
4~7トンCO₂/ha/年
あずまの森では、
約3.2~5.6トンのCO₂を毎年吸収していることになります。
静かに、確実に。
森は都市の空気を整え続けています。
5地形の記憶を未来へ
あずまの森は、単なる「緑地」ではありません。
それは、失われた谷戸地形の記憶をとどめ、
水の循環を守り炭素を蓄え、小さな命を支え、
そして都市を支える存在です。
都市の未来は、
すべてを均すことではなく、
残された自然の断片とどう共に生きるかにかかっています。
あずまの森は、
自然の記憶と都市の未来をつなぐ場所。
その役割は、
静かですが、とても大きいのです。
2026年2月22日の写真
写真の下のコメントは、撮影日付と通番です